金沢方式による訓練中に2歳前半までに人工内耳を装用した幼児の手話から音声への移行

摘要

金沢方式(文字音声法）による言語聴覚療法では、聴覚口話法に並行して早期から指文字 による助詞を含めた日本語対応手話や文字言語を導入している。当科では訓練開始当初より 手話を用いているので、その後人工内耳を装用することになつた場合に、手話が音声言語に与える影響について検討していく責務があると考えている。第55回本学会において2歳代前半までに人工内耳装用を開始した3例について、装用前に用いていた手話や指文字による助 詞を伴った文レべルの手話表出が装用後の音声表出への移行について報告したが、今回は、 その後の音声言語の経過と術前の手話による表出との関係について検討したので報告する。