51. SARS-CoV-2 PCRが持続陽性となったDLBCLの1症例

摘要

42歳男性。DLBCLに対し,2020年9月末までにR-CHOP 療法を6コース施行した。10月に軽症COVID-19に罹患し 経過観察していたがリンパ腫病変が急増大し第14病日にプ レドニゾロン,エトポシドを投与した。その後肺炎を生じ SARS-CoV-2 PCR検査でウィルス量増加をみとめCOVID-19 肺炎の可能性が示唆された。治療により肺炎は改善せず PCR検査は陽性が持続し,またリンパ腫病変は再増大し感 染成立2ヶ月後に死亡した。経過中のSARS-CoV-2の抗体価 はIgG/IgMともに陰性であった。悪性リンパ腫の患者は, COVID-19による死亡率が高い。COVID-19罹患中に悪性リ ンパ腫が増悪した場合は抗がん剤投与の可否につき慎重に判 断する必要がある。