飼養衛生管理基準遵守の強化と農場HACCP認証一農場HACCP審査員の立場から一

摘要

2010年に口蹄疫が発生して10年がたつた。 当時約30万頭の牛および豚等が殺処分され、 日本の畜産に大きな打撃を与えた。この10年間に、豚熱の流行をはじめ、高病原性鳥イン フルェンザといつた悪性の伝染性疾病の多発だけでなく、豚流行性下痢の流行、慢性疾病 である牛伝染性リン > ヽ'腫の摘発増加など、家 畜の伝染性疾病は引き続き日本の畜産に打撃 を与えている。また、著者が活動を行ってい る現場では、上記以外に各畜種のマイコプラ ズマ症に加え、牛ではヨーネ病および牛RS ウィルス病、豚では豚繁殖、呼吸障害症候群 および豚サーコウイルス関連疾病ならびに鶏 ではマレック病および鶏大腸菌症が発生し、 問題となっている。一方、近隣国では口蹄疫、 ァフリ力豚熱ならびに高病原性および低病原 性鳥インフルエンザが発生しており、日本に おけるこれらの疾病の発生についても予断を 許さない状況である。