乾燥地の灌漑農地における塩類集積の現状と対策

摘要

世界人口は、1961年から2017年までの57年 間に31億人から71億人（約2.4倍）へと急増 した。その間、世界の穀物生産は9億トンから 30億トン（約3.4倍）へと人口増加を上回るベー スで増産され、生産性の高い灌漑農業が重要な 役割を担った。しかし、灌漑が必須である乾燥地では、灌漑によって農業生産が飛躍的に向上 したが、過剰灌漑や排水不良などの不適切な水 管理によって塩類集積が生じ、土壌の塩類化に よる生産性の低下が深刻な課題となっている。.本稿では、灌漑農業と塩類集積について概€ すみとともに、国立研究開発法人国際農林水産 業研究センタ一（国際農研）力、乾燥地に属す る開発途上地域の灌漑農地において検証した、 塩類集積対策について報告する。