CREST ·さきがけ再生可能エネルギーからのエネルギーキャリアの製造とその利用のための革新的基盤技術の創出

摘要

本研究領域は、文部科学省の選定した戦略目標「再生可能エネルギーの輸送·貯蔵·利用に向けた革新的エネルギーキャリア利用基盤技術の創出」のもとに、科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業CREST·さきがけとして2013年度に発足した。エネルギーキャリアとしての検討が先行している有機ハイドライド、アンモニアをはじめ、水素含有率、変換効率、安全性において注目される新規エネルギーキャリアの合成·利用に資する先導的な研究並びに、既知のエネルギーキャリアを対象とする研究で、これまで想定されてきた合成·利用·貯蔵運搬方法とは異なる、新たな着想に基づく独創的な技術を対象とした。本研究領域は、再生可能エネルギーを安定的·効率的に利用する将来の水素エネルギー社会の実現に向け、再生可能エネルギーを化学エネルギーの貯蔵·輸送の担体となる エネルギーキャリアに効率的に変換し、さらに、エネルギーキャリアから熱エネルギー、電気エネルギー、水素等を取り出して利用する基礎的·基盤的技術の創出を目指した。そのために、電気化学·触媒化学·材料科学·プロセスエ学といつた分野の垣根にとらわれない異分野間の融合型研究を推進した。例えば、風力·太陽光など9再生可能エネルギ一の利用を念頭に置いて、エネルギーキャリアを効率的に直接、電解合成する手法、ユニークかつ高活性な触媒化学プロセスによりエネルギーキャリアを合成するための研究を対象とした。また、エネルギーキャリアを燃料として用い電気エネルギーを取り出す直接燃料電池や、熱エネルギー創出のための燃焼、エネルギーキヤリァから低温で高効率に水素を取り出す脱水素技術、水素分離技術に関する研究も含まれる。