治らない咳,どう診る?どう処方する??結核?非結核性抗酸菌症の咳嗽?喀痰

摘要

結核は「ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)」による感染症です.結核を疑 う状況は,発熱,寝汗,体重減少などの全身 症状と2週間以上の咳嗽,血痰などの呼吸器 症状を認めるときです.胸部画像検査で粒状 影や結節影を指摘されて,鑑別に挙がる場合 もあります.結核は空気感染するため,結核 を疑う患者に遭遇した場合は,患者を陰圧個 室に隔離する必要があります(=空気感染対 策)?患者にはサージカルマスクを装着させ, 医療従事者はN95マスクを着用します.隔 離後は,原則として,3回の喀痰抗酸菌塗抹? 培養検査を行います.喀痰抗酸菌検査が1回でも塗抹陽性となり,結核PCRで陽性であ れば,排菌結核として陰圧個室や結核病床へ の入院適応となります.3回の塗抹検査が陰 性であれば感染性は低いと考えられ,空気感 染対策を解除します.この場合に，抗酸菌培 養陽性であれば,外来治療となります.