コ□ナ禍による前年の落込みから急回復した21年の世界古紙需給

摘要

本誌5月15日号では世界各国'地域の紙パルプ需給について、「紙'板紙」と「パルプ」を中心に概観した。今回は同様の手法で原料の「古紙」について取り上げる。新型コロナウィルス感染症がなお猛威を振るつていた2021年の世界古紙需給は、回収量が前年比5.4%増の2億5,689万tと2年ぶりのプラス成長を言己録。また利用(消費)量も同4.5%増の2億5,477万tと同じく 2年ぶりのプラス成長を確保した。一方、貿易では輸出が5.2%増の4,766万t、輸入が0.6%増の4,579万t。最大の古紙輸入バイヤーだった中国が2020年末をもつて世界の貿易市場から撤退したことで、その影響が輸入の実質横ばい実績となって現れている。ちなみに同年の木材パルプ消費量は2.4%増の1億7,411万t。古紙の伸びがパルプの伸びを2.1ポイント（pt)上回つた結果、世界の古紙利用率は前年より0.4ptアップして59.9 %に達している。22年のデ一タで利用率が60%の大台を超えるのは間違いなさそうだ。