頭頸部がん

摘要

頭頸部がんは亜部位ごとにステージ別の治療が異なるが, 遠隔転移を伴わないステージIVでも根治的な治療がされ る場合が多い.ステージII喉頭がんの標準治療は放射線療法単独である が,ハイリスクステージII喉頭がんに対しては化学放射 線療法(CRT)を積極的に検討する.上咽頭がんはステージIIから積極的にCRTを考慮する.再発転移では薬物療法が基本であるが,頭頸部がん特有 の局所の症状がクリティカルとなる場合は,緩和的局所 照射や手術なども治療モダリティとして重要である.を放射線療法開始と同時に3週1コースとして3コース行うも のである.なお,わが国では保険承認用量,毒性などを理由に, CDDPを70～80 mg/m~2に減量したCDDPとの併用が汎用さ れている.高用量CDDPの適応を考える際には,年齢’腎機能,心機能， 末梢神経障害や聴器毒性の有無,慢性呼吸器疾患の有無，PS などの因子を考慮する必要がある.放射線療法開始から放射線療法終了後2週までの間に,CDDP の総投与量が200 mg/m~2以上となることを目標にする.高用量CDDP投与が適さない頭頸部がん患者に対する標準的 なCRTレジメンはないが,CDDP分割投与,カルボプラチン (CBDCA),セツキシマブ(Cmab)などの治療オプションが提示 可能である.