車載用高効率·低コストSiタンデム太陽電池の検討

摘要

太陽電池搭載自動車は、大きなCO_2削減効果が期待でき、クリーンエネルギー社会の創成に重要である。NEDOの支援により開発したシャープ製高効率3接合太陽電池（モジュール効率30%以上）を搭載したトヨタ自動車および日産自動車の実証車による走行試験がなされ、モジュール効率20%程度のSi太陽電池を搭載した自動車より長い走行距離が実証されている。課題は、低コスト化であり、Siタンデム太陽電池が期待される。ここでは、Siタンデム太陽電池の高効率化の可能性に関する解析結果と我々の高効率化のアプローチを報告する。著者らのInGaP/GaAs/Si 3接合4端子タンデム太陽電池の効率は、34.1%の現状であるが、42%以上の高効率化が期待できる。効率35%以上の高効率太陽電池モジュールを開発することにより、一日当りの走行距離として、4kWh/m~2/dayの平均日射条件下で30km/day以上、晴天時には、50km/dayの実現が可能である。