SDGsの目標達成の取り組みに貢献できる高濃度油脂含有食品排水処理における加圧浮上装置代替え新技術「SB-1EXシステム」の紹介

摘要

管理面では，熟練のオペレーターの存在が不可欠であるが，熟練世代から若年世代へのバトンタッチは容易くはない。コスト面では，加圧浮上装置からの浮上スカムは余剰汚泥同様に脱水ケーキとして系外に搬出処分されるが，その費用の高騰や装置運転に不可欠な薬剤等のランニングコストは経営を圧迫しかねない。余剰汚泥に関しては，国レベルの課題でもある。環境省統計によれば，排水処理施設からの余剰汚泥を含む廃棄物割合は増加の一途をたどり，1990年以降は産業廃棄物の4割を超え，国内の最終処分場は継続的に逼迫状態である。環境面では，搬出前のスカム貯槽や脱水ケーキから発生する独特の臭気は処理施設周辺をはじめ，工場近隣の生活環境を悪化させる原因となることが多い。これらの課題を解決するためには，加圧浮上装置と同等の処理能力を備え，かつ，課題を解決できる新たな実用的な処理技術が必要である。しかし，現実には様々な制約があるため容易ではない。