市民参加型モニタリングを支えるデータベースの構造と機能: 沖縄本島におけるマングローブ林の保全活動から: 沖縄本島におけるマングローブ林の保全活動から

摘要

生物多様性の保全は，複雑で予測が困難である生態系を対象としており，多種多様な生物種および生態系の現状を評価したうえで順応的に対応策を講じていくことが適切であると考えられている．生態学分野では本アプローチを「順応的管理」とよび，その過程において，現状を把握するためのモニタリング手法とデータにもとづく評価がとくに重要である．そのため，モニタリング手法とそれに基づく評価に関する研究は，生態学分野の研究者によって多くの知見が蓄積されてきた．しかしながら，専門家によるモニタリングだけでは十分な生物多様性に関する情報（以下，生物多様性情報とよぶ）を取得することが困難であり，それが生物多様性の保全を妨げる課題となっていた．