コロナ禍で手にした働き方改革

摘要

新年度に入り大学のキャンパスにも活気が戻ってきた。新型コロナウイルス感染拡大の影響でこの三年間，何かと行動制限が多かったが，私が勤める大学でも対面授業が完全復活し，様々な障害が取り払われつつある。政府の方針に従って，マスクの着用は教職員·学生それぞれの判断に任されるようになり，カフェテリアにあったアクリル板の衝立もほとんどが撤去され，教室の人数制限も解除された。授業によっては教室の定員一杯に学生が着席している。自分が担当する授業は昨年度まで一部オンデマンド授業が残っていたが，今年度からすべて対面授業となった。三年前の4月に緊急事態宣言が発出され，キャンパスから対面授業が消え，オンデマンド授業の製作に昼夜問わず腐心した。へツドセツトがなかなか手に入らず，静かな環境で録音するために深夜から始めた作業が朝までかかり，うっかり止め忘れた目覚ましが鳴ってハイ取り直し…などというのも懐かしい話である。対面授業が完全復活した今，撮りためた動画コンテンツが主役の座を明け渡すことになったが，それはそれで何とも複雑な気持ちを抱いているのは私だけではないであろう。