NSAIDs潰瘍

摘要

非ステロイド抗炎症薬（NSAIDs)は整形外科領域疾患 や関節リウマチ治療などで使用される頻度が高い薬剤であ り，薬物性潰瘍の原因薬剤のなかでは最も頻度が高いこと が30年以上前から指摘されている。NSAIDsによる消化 管粘膜傷害の主たる機序は，粘膜においてサイトプロテク シヨン作用を有するプロスタグランジン（prostaglandin ； PG)をシクロォキシゲナ一ゼ（cyclooxygenase ； COX) 抑制を介して減少させることによる。1983年のHelicobacter pylori (H. pyLori)の発見以降，H, pylori とNSAIDsは消ィ匕性潰瘍のニ大原因として認知されるに 至り，消化性潰瘍の治療は大きく変わった。本稿では NSAIDs潰瘍の臨床像，治療，予防について解説する。