高負荷カム対応、高性能摺動部材の紹介II

摘要

現在、自動車プレス加工においてハイテン材の加工要求が増しており、成形工程時の高い負荷により金型カムの摺動部材に焼付きの危険性および摩耗率の増加が課題となっている。前報では実際にカムユニットに黄銅系特殊合金（以下、開発材）を搭載した場合の摩耗特性を一般的な摺動部材であるCAC304と比較評価したが、予測された効果以上の結果が得られた。本稿では、耐摩耗性の要因について合金素地中に分散する硬質粒子の硬さに着目して摩耗との相関を調べ、また開発材をカムユニットの摺動部材に適用して打回試験を実施した結果を報告する。