関節リウマチなどの膠原病

摘要

関節リウマチ(RA)は人口の0.4～0.5%, 30歳以上の人口の1%に罹患し,比較的 よく遭遇する関節炎の代表疾患である.社会の高齢化に伴い2020年代では60歳台の発症が最も多く,近年では高齢発症関 節リウマチ(elderly onset RA)が注目されている.RAは発症後2年以内に急速に関節破壊が進行することから,早期治療介入が重要と なる.メトトレキサートや生物学的製剤の使用により疾患活動性は制御されつつあるが, 薬物療法が進歩しても関節破壊が進行する中疾患活動性と高疾患活動性のRAが約2 割いることを忘れてはならない.関節リウマチ(rheumatoid arthritis : RA) は関節内の増殖性滑膜炎により関節軟骨?骨破壊をきたし,関節変形や関節強直を生じる 原因不明の自己免疫性炎症性疾患である.原 因不明な疾患であるにもかかわらず本邦では 人口の0.4～0.5%, 30歳以上の人口の1%に 罹患し,比較的よく遭遇する内因性関節炎の 代表疾患である.また,どの年齢層でも発症するが,本邦の高齢化に伴い2020年代では 60歳台の発症が最も多くなっており,近年 では高齢発症関節リウマチ(elderly onset RA)が注目されている.本稿では関節炎の代表疾患であるRAの診 断に至るまでの診察のコツについて述べる.