CFRP一方向積層板の導電率測定に及ぼす試験片寸法の影響

摘要

TodorokiとYoshida，Angelidisら，は電極部の接触抵抗の影響で四電極法を用いても，CFRP積層板では導電性の強い異方性のために正しく測定できない場合があることを示した。また，Shenらは厚さ方向の極端に低い導電率のために，電極から板厚方位に遠い部分で電流が流れず，4電極法においても，電流電極を表面に設置すると正しく導電率を測定できないことを示した。また，山根らは，層間に樹脂リッチ層のある高靭性CFRPにおいて，板厚方向の導電率に大きなばらつきがあることを実験的に示した。これらの背景から，本研究では汎用CFRP一方向積層材と高靭性CFRP一方向積層材を対象として，試験片寸法を変えて繊維方向，繊維直交方向，板厚方向の導電率を測定し，その影響を評価した。級維方位と直交方位については3通りの試験片を作成し，板厚方位については2通りの試験片を用いて評価している。また，測定結果を用いて，板厚方位の低い導電率の影響を解析的に評価する。