焦点は安全保障と核燃料サイクル―IAEA総会#12539;科学フォーラム報告

摘要

2004年9月20日から，ウィーンのオーストリアセンターで開かれた国際原子力機関（IAEA）の第48回総会では，時節柄，テロリストグループや，核不拡散同盟（NPT）非協力国への対策に，多くの関心が寄せられた。 米国のAbrahamエネルギー省（DOE）長官は開口一番，「現時点での最重要課題はテロリストに核兵器を持たせないことだ」と危機意識を強調し，Bush大統領の書簡を読み上げたが，そのメッセージも，テロ活動や問題国家への拡散懸念を色濃くにじませ，格段の核物質・核技術管理，査察の強化に向けた国際協調を求める内容のものであった。 これに呼応してロシアのRumyantsev原子力庁長官も，総会直前に勃ばつ発したBeslan小学校での惨劇に触れ，テロの脅威と核拡散防止の必要性を改めて訴えた。