酸素ガス切断における予熱ガス炎性状と切断性能の関係に関する研究

摘要

酸素ガス切断では，予熱炎で被切断材の表面を加熱して切断開始部を発火点以上に加熱し，そこに酸素を吹きかけて酸化反応を起こさせるとともに，溶融した酸化物および金属を切断酸素気流がもつ運動エネルギーで吹き飛ばして切断を行う．この場合，被切断材には予熱火炎からの熱伝達と，被切断材自体の燃焼の双方により熱が供給される．以下で，前者による熱供給を“予熱入熱”と，後者による熱供給を“燃焼入熱”とよぶ．特定の予熱火炎性状を与えた時の，予熱入熱，燃焼入熱の値を定量的に評価できれば，予熱火炎性状と切断性能の関係の解明に役立つと考えられる．そのような研究で得られた知見は，予熱炎調整の脱技能化による技能継承問題の解決，予熱条件の最適化による切断性能向上および温暖化効果ガス排出量の削減などに役立つことが期待される．