月評

摘要

平田僕らが慣れ親しんだ建築家の態度表明には,社会全体から見た時に妙に偏って見えるであろう硬さがあります.しかしドットァーキテクッは，文章を読んでも，作品を見ても，硬さがなく，どこに出しても恥ずかしくない.建築家が建築にこだわるがゆえに発生してしまう気恥ずかしさみたいなものと無縁な人たちだと思います.それゆえに，今の建築の文脈の中で，どのように評価すればよいのか，宙ぶらりんのところもあります.そのような気になる存在が,妹島和世さんを審査員長とし，西沢さんが事務局長を務める第2回小嶋賞を受賞しました.音楽に喩えるなら，SANAAの建築が現代的なクラシック音楽のようなものだとしたら，ドットの人びとはどこかロックミュージシャンみたいな気がする.その点で，SANAAのおふたりがドットを高く評価することが面白く，西沢さんがどのように彼らを考えられているかお伺いしたいと思います.