電子メディア移行への流れは決して固定されたものではない

摘要

わが国では「本が売れない。特に雑誌の不振は深刻だ」といった声がもう数年以上にわたって上がり続けている。 しかも、これは日本固有の現象ではなく、世界的な傾向であるらしい。 若者の関心が伝統的な印刷物から電子メディアに移行しつつあるとの指摘も、洋の東西を問わず共通している。 そうした中で欧州の雑誌用紙市場では、ここ10年ほどの間に「LWCの退潮、SC紙の興隆」という需要構造の変化が起こっている。これは単に品揃えや価格といったサプライサイドの事情だけが原因なのか、それとももっと本質的な読者ニーズに根ざす変化なのか－以下、PPI誌1月号に掲載されたドイツ大手出版社資材部長の意見を紹介しよう。