継手形状·溶接姿勢を考慮した3次元溶融池モデル

摘要

ものづくりにおいて基盤技術のひとつである溶接プロセスは，アークプラズマやレーザなどといった熱源を金属などの接合対象物（母材）に適切に与えることで，母材を溶融·凝固させ接合を達成する技術である．溶接プロセスにおいてはその接合原理より，急熱·急冷を経た溶接部が構造物の一部として製品に残ることとなる．この際，適切な施工がなされないと溶接部の強度や耐食性は劣化し，同時に変形や残留応力が発生するなど継手品質の要求を満たさなくなることがある．また，わずかな施工条件の違いによって多種多様な溶接欠陥が生じることがある．そのため，生産現場においては溶接施工前後において溶接条件探索や非破壊検査など数多くの試験を行い，製品の品質を確保することとなる．以上のことから，溶接施工そのもののコストだけでなく，それに伴う試験·検査に要するコストも大きな割合を占めているのが現状である．