JFEスチールの設備管理におけるデータサイエンス技術の展開

摘要

このような状況を打破するために、JFEスチール（以下、当社と記す）では、設備の高経年化対応や技術技能レベルの向上に向けて、以下の4つの分野で設備管理の高度化を進めている。第1の分野は全社統合設備管理システムにおける設備管理の高度化、第2の分野は高精度の設備診断、第3の分野は更新工事の効率的推進、第4の分野は、AIやIoT技術（総称してデータサイエンスと呼び、DSと略記する）の活用である。DSは、第1から第3の分野だけでなく、すべての固有技術に対して横断的に適応しうる応用範囲の広い技術である。また、その改善効果も大きいと予想される。このため、当社ではDSは次世代を担う重要技術の1つと認識しており、全社強力に推進させている。本報告では、このDSに対する基本的な考え方から適用方法、さらには設備管理分野における開発技術を示す。開発技術の具体例としては、点検業務に関するもの、原料ヤードベルトコンべヤの診断、熱延工場の大規模な状態監視、故障支援システムなどについて示す。