ITS－セカンドステージヘ：愛知県におけるITS推進の取組み

摘要

愛知県は，国土のほぼ中央部に位置し，古くから広域交通の結節点として発達してきた．最近では，2005年2月に中部国際空港（セントレア）が開港し，3月25日から9月25日にかけて，21世紀最初の国際博覧会である愛·地球博（愛知万博）が開催された．こうした大規模プロジェクトに伴う交通基盤の整備を背景に，本県は，将来的にも広域的な交流·物流の拠点としての発展が期待されている．一方で，地域交通の輸送機関分担率で自動車が80％を占めるなど，他の大都市圏と比較して自動車交通が極めて大きな役割を果たしており，それに伴う交通事故の多発，道路の渋滞などの交通問題や，騒音·大気汚染などの環境問題といった課題も抱えている．また，全国一の製造品出荷額等（2004年約36.8兆円）のうち輸送機器が約50％を占めており，自動車産業を中心に世界でも有数の高い産業技術集積を有している．このような背景を踏まえ，本県では，地域特性をうまく生かしながらITSの推進を地域づくりの大きな柱として位置づけている（図1）．