接着接合を併用した重ねすみ肉溶接継手の静的引張強度特性

摘要

高度経済成長期に建設された膨大な数の社会基盤構造物を効率的に維持管理し，補修補強により長寿命化していくことの必要性および重要性は社会的通念として認識されるようになってきている．橋梁に代表される社会基盤構造物の劣化·損傷が顕在化してきているが，鋼構造物においては，腐食および疲労が劣化·損傷の主な要因となっている．腐食による板厚減少は部材の耐荷力および剛性を低下させると共に，部材破断を引き起こす場合がある．一方，種々の構造物において疲労き裂の発生が多数確認されており，疲労き裂の検知および進展の監視，き裂発生部の補修補強は構造物の維持管理における重要課題となっている．