［リーンシステムと改善］第1回 今なぜ、リーンシステムなのか

摘要

リーン生産システムが、多くの人に知られるようになったのは、米国マサチューセッツ工科大学のジェームズ·P·ウオマック、ダニエル·ルース、英国サセックス大学ダニエル·T·ジョーンズによる著書、日本語名「リーン生産方式が世界の自動車産業をこう変える」によると言ってもよいのではないか。実質的にはこの本ではリーン生産システムはトヨタ生産システムを述べているといっても過言ではない。とくに「かんばん方式」に力点がある。一方、リーン開発システムはスタイルデザイン、設計試作、生産準備等の生産部分よりさらに上流部分を範囲とする。図表－1にリーン生産システムとリーン開発システムの概要を示した。本連載ではリーンシステムの基本について、現場第一線で活躍されているオペレーターや保全マン、技術スタッフ向けに、数回に分けて解説する。