アミノ酸由来ジブロックポリマーによる温度応答性高分子ナノ粒子

摘要

本研究では，温度応答性アミノ酸由来ビニルポリマーで表面機能化された高分子微粒子の調製を試みた．温度応答性アミノ酸由来ビニルポリマーにはNAAMe，高分子微粒子の核となる部位にはPStを採用し，原子移動ラジカル重合（ATRP）法を用いてジブロック化させて合成したポリマーを自己組織化析出（SORP）法で微粒子化した．得られた結果をまとめると以下のとおりである．1．ATRP法によりマクロ開始剤となるPStおよびPSt-b-PNAAMeの合成に成功した．2．PSt-b-PNAAMeジブロックポリマーの親/疎水バランスを最適化すれば，SORP法によりナノメートルサイズへの微粒子化を可能にした．3．PSt-b-PNAAMeナノ粒子はPNAAMeブロックのLCSTを境に粒径が大きく変化した．また，この変化は可逆的であることを明らかにした．