聴覚障害者のための警告音の識別

摘要

本研究では、聴覚障害者のために環境音の中から、督告音を識別するシステムの研究を行うことを目的とする。 クラクションを識別することに特化して、識別精度の改善や、対雑音性の強化を目指す。 本研究では、音源識別処理の2つの方法を考えて、実験した。 まず、1つはパワースペクトルを用いる方法である。 これは入力信号の短時間mを求め、雑音の影響の少ない周波数帯域のピークを求めて、その間隔から基本周波数を推定し、推定値の時間方向への連続性から、識別するものである。 もう1つは自己相関関数を用いる方法である。 入力信号の自己相関関数のピーク間隔を計測し、そこから基本周波数を推定し、その連続性を調べるものである。 以上の手法で、14種類のクラクションを識別対象者漁として実験した。 雑音のない環境では100％、SNR5dB程度の雑音環境下においても90％を超える高い識別率を実時間で得られた。