非血管性頭蓋内疾患による頭痛の治療

摘要

硬膜,くも膜,主幹血管が有痛組織であり,局所刺激や圧迫で頭痛を呈する。局所刺激で頭痛を呈する疾患には脳挫傷髄膜炎,下垂体炎,Crowned dens症候群,開頭後頭痛な どがある。局所圧迫で頭痛を呈する疾患には慢性硬膜下血腫,下垂体卒中がある。頭蓋内圧亢進で頭痛を呈する疾患には悪性脳腫瘍,水頭症,キアリ奇形Ⅰ型,Sit ventricle 症候群特発性頭蓋内圧亢進症などがある。頭蓋内圧低下で頭痛を呈する疾患には腰椎穿刺後,外傷,髄液漏,特発性がある。非血管性頭蓋内疾患による頭痛の原因としては,外傷， 腫瘍,炎症，感染症などがある。またこれらの原因が明 確でないものは特発性と診断される。頭蓋内は固い頭蓋 骨に囲まれており，頭蓋内病変や正常組織の体積変化は， 頭蓋内圧の変化に直結し，頭蓋内圧の上昇も低下も頭痛 の原因となる。ここでは頭痛の原因を病態から分類し，局 所の刺激，圧迫,頭蓋内圧亢進，頭蓋内圧低下,脳機能 変化に分けて，病態,診断，治療について述べる（表1）。