フレーム振動低減に向けた初期設計段階における簡易設計手法

摘要

近年のCAEの目覚ましい発展と普及により，試作車をつくる前段階で車両性能がある程度定量的に予測可能となり，より性能の良い構造が提案できるまでに至ってきている．CAEの重要度がますます高まるに従い，解析専門家はより高度な解析に取り組み，設計者は図面段階でCAEを利用した性能検討を行うようになってきている．さらに，CAD、モデルを直接利用する設計者向けCAE ツールなどの実用化により，線形の構造解析などはCAD 図面作成とほぼ同時に実施可能な状況となりつつある．ところで，設計初期段階では画期的な構造提案や大幅な構造変更が可能であるため，設計者のノウハウに裏打ちされたアイデアを効率良ぐ性能評価する設計検討ツールが重要となる．CAEが発達した現在では，ある程度ラフなモデルによる解析や前型のモデルを修正した解析などは容易に行える有効な手段となっている．一方，材料力学や梁要素などによる簡易解析は，定量的な性能把握には不向きだが，ノウハウに基づく対象の簡略化を行うため，現象を把握しやすい利点がある．その上，モデル変更は至って容易である．したがって，CAD図面を作成する前段階での机上検討では有効な手段と考え．られる．そして，CAEの結果を評価·考察する際にも，より多くの知見を得る助けになるものと考えられる．