どさから来たのか，何なのか，どこへ行くのか

摘要

2004（平成16）年の大学改革は，将来を見通す者によって「仕組まれた」ものではなく，その場その場の成り行きにのり，時代の風潮に吹き流されたという性格を持っている．そのため，建前のレベルで本来の目的とされるものと実際の仕組みが齟齬を来たし，実態のレベルで運営費交付金算定の方式が大学の行動にゆがみを与える可能性があり，施設費補助会では高コスト硬直化が進む公算が高い．しかしこれらの内では今後の制度の運用面で改善が可能なものも多い．大学構成員の意識改革を含め，大学改革の正否はまさに今後の展開にかかっている．