「癌と化学療法」誌の50周年を迎えて

摘要

1974年春に，勤務していた愛知県がんセンター内科部 長の太田和雄先生から，新しい癌の雑誌である「癌と化 学療法」（以下，本誌）が刊行される。よってその雑誌に 「研究f侖文を投稿しなさい」と指示された。私は初期臨床 研究が終了していた新しい抗癌剤のCCNUを選択して 論文を書いた。題名は「CCNUの臨床治験」1)であり，第 1卷第5号（1974年11月）に掲載された。内容は種々の 進行癌27例での第I/II相研究であつた。CCNUは日本 の製薬会社からの依頼ではなく，日米癌研究協力事業 (以下，「日米がん」）を通じて米国国立癌研究所（NCI) のCancer Treatment Evaluation Program (CTEP)から贈られた。このようなルートを通じての薬剤の提供は初めてであった。