LOH症候群の診断基準

摘要

加齢男性性腺機能低下症候群（LOH症候群）診療の手引きが2007年に発刊されて早15年となる.それまで疾患（症候群）概念として存在しなかったLOH症候群を一般医科に普及させ,また診療の手引きとして果たした功績は非常に大きいと思われる. しかしながら,発刊から15年経過し,その間にテストステロンと疾患の関係の研究が国内外で進んだことや海外ガイドラインがアップデートされるにしたがって,本手引きとの齟齬が生じてきていることなどから本邦の手引きも改訂の時期をむかえ,本原稿執筆時現在（2022年春）,日本メンズヘルス医学会,日本泌尿器科学会を中心に本手引きの改訂作業が行われている. 本稿では2007年の手引きにおける診断基準をまず概説し，その後問題になったこと,今回の改定作業で改訂が望まれることについて概説したい.近い将来ガイドライン上で診断基準が変更となる可能性があるため,診療を行う上では本稿はあくまでも参考とし,新たなガイドライン（手引き）が発刊された際にはその手引きを熟読し診療にあたっていただきたい.