グリーンイノベーション基金事業第1号

摘要

カーボンニュートラルを2050年までに実現するには，産業構造の転換や大胆な投資によるイノベーション創出の大幅な加速が必要である．グリーンイノベーション基金事業は，新エネルギー·産業技術総合開発機構（NEDO）に総額2兆円の基金を造成し，官民で野心的かつ具体的な目標を共有し，取り組む企業等に10年間研究開発·実証から社会実装まで継続支援するもので，企業の経営者に対しても長期的な経営課題として粘り強く取り組むことへのコミットメントを必要とする．本事業の第1号として，経産省の水素に関する研究開発·社会実装計画に基づき11テーマが採択された．これらは，商用水素サプライチェーン構築のための技術確立と，余剰な再生可能エネルギー電力を水素に変え，熱需要の脱炭素化や基礎化学品製造等への活用を目指し，水素需給創出による自立的水素の普及拡大·社会実装を促す．期間は5～10年，一部の革新技術開発や研究機関への委託を除いて2/3～1/2の補助率である．