まっとうな人をクレーマーにしないために-医師が診療時に意識するべき接遇-

摘要

「医療は，長きにわたり患者と医師の間に，魔法と創造力の存在が認識されてきたアートである」筆者訳）といわれているように，臨床において医師と患者の関係性が，疾病予防を目的とする健診やかかりつけでの日常的な生活指導の成否のみならず，新規発症疾患 の診断や治療継続性，そして予後などの治療成績にも密接に影響していることは，医療提供者や多少の受診経験がある方ならおわかりいただけるだろう.MediWebが2008年 に行ったアンケート調査(n = 206)では，患者からみた「信頼できる医師」の要件として， 「知識?技術(14%)」を抑え，「説明（31「対応?姿勢?人柄（25%）」，「患者の話を 聴く（24%)」が上位を占めている.