自動車用大型構造部品や電動化部品に対応する金型材料と熱処理の最新動向

摘要

近年、地球温暖化の一因でもあるCO_2排出量実質ゼロを目指して、国内外でガソリン車から電気自動車（EV）への置き換えが進みつつある。中でも中国は、2022年のEV生産台数が500万台を超え、世界のEV生産量の過半数を超えるEV生産大国となった。中国市場におけるダィカスト製品に関しては、軽量化、コストダウンを目的に大型構造部品への適用が進んでいる。当初は中国大手EVメーカーの6,000tギガプレスによるリア·アンダーボディのダイカスト一体成形が話題となったが、現在は中国新興EVメーカーおよび大手ダイカスターも大型構造部品の開発を進めている。それに伴いダイカストマシンも9,000tや12,000tサイズのものが稼働中および開発中であり、2023年はダイカスト大型構造部品の需要がさらに増えると予測されている。さらに、中国市場に追随する形で欧州や北米でも大型ダイカストマシンの導入が検討され始めており、今後EV構造部品へのダイカスト適用事例はさらに増える見込みである。