立地地元の今 2 地域と人口の関係

摘要

今回から立地地元（原子力発電所立地地域）の現状について、持続可能性の観点から最も重要な要素と言える人口に焦点を当て、何回かに分けて分析してみることにしたい。まず、地域の持続可能性の定義から述べる。特に確立されたものはないのだが、地球環境問題における「持続可能な発展」の概念が参考になる。これは環境と開発に関する世界委員会（ブルントラント委員会）が一九八七年に提唱したもので、「将来の世代の欲求を充たしつつ、現在の世代の欲求をも満足させるような発展」と定義されている。そこで、地域の持続可能性についても「将来の世代の欲求を充たしつつ、現在の世代の欲求をも満足させるような地域の状態」と捉えられるだろう。