時空間勾配法に基づくブラインド信号分離

摘要

近年，複数の倍号が重畳した観測信号から元の信号成分を取りだすブラインド信号分離が盛んに研究されている．ブラインド信号分離では，源信号だけでなく混合過程も未知である．通常のブラインド信号分離は源信号の数だけ観測点（観測信号）が必要である．そのため，各観測点間の信号の到達時間差を考慮する必要があった．本研究ではブラインド信号分離に時空間勾配法の理論を適用することにより，2信号の混合において，1観測点で得られる信号で分離する手法を提案する．具体的には観測される信号の時間微分，x方向の空間微分，y方向の空間微分をとることにより，観測過程を簡単化した後，Hermiteモーメントによる評価関数を用いた回転変換による分離手法を利用することで，信号分離を行うものである．