左房粘液腫による心原性脳塞栓症の1例

摘要

左房粘液腫は最も頻度の高い心臓腫瘍であり，しばし ば心原性脳塞栓症の原因となる。これまで左房粘液腫による脳塞栓に対し，経静脈的血栓溶解療法〔rt-PA (recombinant tissue plasminogen activator)療法〕を 施行した症例は必ずしも多くない。加えて，その根治療法は開心腫瘍摘出術であるが，脳梗塞から手術まで の期間の患者管理について明確な指針はない。今回筆者らは，心原性脳塞栓症を疑いrt-PA療法を 施行後，左房粘液腫による脳梗塞と診断した症例を;お験 した。左房粘液腫に伴う脳梗塞に対する抗血栓療法のお: 非を含めて報告する。