宇宙生命科学研究におけるオミックス解析の標準化?自動化と国際連携

摘要

ゲノムワイドでの遺伝子発現やタンパク質量，代謝産物などを網羅的に測定し，得られた大量のデータを 扱う"才ミックス解析"は，近年，生命科学研究に欠かせない手法となった.宇宙医学?生命科学分野での 応用例も，モデル生物を用いた研究から宇宙飛行士の臨床検体の解析まで幅広い.しかし，宇宙研究ではサ ンプリングの制約や微量検体への対応など技術面での困難に加え，少ない実験機会，比較的小規模な研究コ ミュニティーなど，解析施設の運営面でも他の大規模解析プロジェク卜とは異なる課題が多い.本稿では主 にゲノミクス解析を例に，検体処理作業の自動化や国際コンソーシアムの活動を通した宇宙研究の要求性に 合わせた国際的な研究体制の構築と，今後のマルチオミックス統合解析や研究の遠隔化とシIァリングなどの宇宙研究の方向性について解説する.