経済発展の影で変わりゆくナミビア

摘要

砂煙を上げて時速100kmで突っ走る車．エンジン音に驚いて逃げるスプリングボックス，オリックス，ダチョウなどの野生動物．一見したところ4年前と何も変わらない．私たちは，7億年前に地球表面が全面的に凍結したとするスノーボール・アース仮説の検証を行う新たな証拠探しに，再びナミビアを訪れた．真っ先に前回サンプリングを行ったコワリブ（Khowarib）渓谷に行き，前回と同じ場所にキャンプ，そこから約1km歩いて露頭を確認する．ホアニブ（Hoanib）川の支流のワジには，いたるところウシが歩いてできた道があった．1997年の調査のときには，1回ヒツジの群がキャンプサイトを通過しただけだったが，今回は毎日のようにウシの行列に遭遇した．