畜産農場におけるバイオセキュリティ一豚熱の発生から考える一

摘要

2018年9月に国内で26年ぶりに発生した豚 熱（CSF)は、清浄国認定を受けていたわが 国に大きな衡撃を与え、折しも中国でァフリ 力豚熱(ASF)の発生が確認された翌月であつ たことも加わって、越境性動物疾病に対する 日本の農場バイオセキュリティに大きな課題を突き付けた。 CSFやASFはいずれも豚とィノシシのみ力〖感染するウィルス性伝染病で、直接あるいは 間接的に経口、経鼻感染で伝播するなど、口 蹄疫ゃ高病原性鳥インフルェンザなどの他の 越境性動物疾病に比較して宿主や伝播経路は限定的である。しかし、今回のCSFの発生で は農場への侵入防止や早期発見は困難を極め、予防的ワクチン接種を余儀なくされた。