研究者の動機を考える

摘要

小文では研究者の動機の分類を試みてみたい．これは私の研究者生活を通じての観察に基づくもので特に現代的な問題ではないので，編集部の意図に沿うものかは危ぶまれるが，御批判をいただければ幸いである．交友は筆者の専門に近い研究者に偏りがちだが，かなり各国の研究者を含んでいる．研究者であるからには，程度の差こそあれ，その第一次動機は自然を理解したいという欲求―真理探究の志―であろう（決定的にこれに欠けるとおぼしい場合はひとまず除外しよう）．したがって分類は第2段階の動機についてである．