土壌カラム試験でのトリクロロエチレン浄化に対するバイオステイミュレーションモデルの適用

摘要

TCEの土壌カラム試験による解析に，競争阻害，代謝による毒性を含む共代謝分解，および土壌によるTCEの吸着を含む物質移動モデル式を適用し，試験結果とモデル式の整合性を検討した。 その結果，モデル式はメタンや芳香族を炭素源とした土壌カラム試験におけるTCEや炭素源の除去率と比較的良く一致した。 またモデルによる感度解析の結果，TCEの除去率には，菌体収率，炭素源添加濃度，TCE濃度，TCE分解容量のパラメータが大きく影響し，TCE最大分解速度，TCE飽和定数の影響は小さいことが示された。 本モデルはTCEで汚染された帯水層の処理にバイオステイミュレーションの適用性を検討するに当たり，処理性能を評価するのに有効なツールであると思われる。