加齢に伴う遺伝性皮膚疾患の自然治癒機構の解明と その治療応用

摘要

遺伝性疾患は，先天的な遺伝子変異により発症するた め，一般的に自然治癒は期待できず，ごく一部の例外を 除き，現時点では根治的な治療法は存在しないと考えら れている。演者らは，病変部の表皮角化細胞から遺伝子 変異が消失し自然治癒する現象(revertant mosaicism) を，先天性魚鱗癬であるichthyosis with confett(i IWC) と口リクリン角皮症（loricrin keratoderma ： LK)で確 認し，最近，この2疾患以外の遺伝性皮膚疾患でも同様 の現象が見られることを確認した（論文投稿準備中）。