高齢化の進む集合住宅団地における社会的 フレイルの実態把握

摘要

【目的】高齢者の社会的フレイル改善で重要視される「社会参加」に焦点を充て.参加状況とその背景にある実態（課題'ニーズ）を 把握する。【方法】都内1地域の集合住宅839世帯を対象に.自己記入式質問紙調査を実施した。質問紙では.世帯構成（属性).社会参加状況. 日常生活動作（activities of daily living: ADL).社会旳フレイル状況（ソ一シャルサポ一卜）の評価に加え.これらの回答理由と現 状改善に向けた要望を自由記述で求めた。解析は.65歳以上が居住する世帯の社会参加状況で.ADLやソーシャルサポー卜に相違が あるかを；(2検定.又はFisherの正確確率検定で検討した。また，社会参加に関する課題 二一ズを，自由記述の回答から.質的記述 的検討で整理した。【結果】世帯構成を含む回答を得た281世帯（有効回答率33. 5%)の内.65歳以上が居住する世帯は224世帯（79.796)であった。社会 参加状況（地域の組織つ'舌動との関わり）で，「関わりたいが関われない」「関わりたくない」と回答した世帯（37.0%)は.ADLや ソーシャルサポー卜で.不安や課題を有する割合が高かった。これらの世帯では.「体の不調（体調)」や「加齢に伴う体力気力低 下.不安」など身体的フレイルを疑う状況がうかがえた。【結論】社会的フレイル状況の改善には.身体的フレイルの存在も踏まえた評価と介入が望まれる。