糖尿病モデルによる病態推定

摘要

糖尿病において個々の患者の病態に適した治療を行うためには、インスリン分泌低下、末梢のインスリン抵抗性、肝糖放出亢進の3要素で表される病態を的確に把握することが必要である。 今回我々はシステムバイオロジー技術を応用した糖尿病の病態数理モデルを構築し、糖尿病患者データを再現するモデルの内部パラメータを推定することで、病態の定量的な指標化を試みた。 モデルから求められた病態指標は、臨床において従来から用いられてきた各種指標と矛盾しない結果を示した。 また、典型的な症例を解析したところ、これら指標は実際の病態をよく反映した。