人材育成と、金型の新ビジネスのアイデアが合わさった「KANAGATAYA」の挑戦: 金型のメンテナンス·修理·改造請負サービスの展開

摘要

新潟県燕市に工場を構えるフジイコーポレーション㈱の創業は慶応元年（1865年）。創業当時は農機具「千歯」の生産を生業とし、以来156年にわたって時代に合わせたさまざまな「ものづくり」に挑戦（写真1）。現在では、除雪機·農業機械の開発·製造·販売、プレス板金加工販売、鋼材加工販売、の3つを主な柱とし、事業を展開している（写真2）。そんな同社が2020年新たにスタートさせたのが、プレス金型のメンテナンス、修理、改造を請け負うサービスの「KANAGATAYA」だ。従来金型の改造や保全は、顧客に納品した「自社製」の金型に対して行うことがほとんど。しかし、近年の金型メーカーの減少とともに、製造元にメンテナンスや改造を依頼できない、いわば「身寄りのない」金型が増えていることを受け、同サービスでは他社製造の金型を対象にしている。新たな事業としての発展が期待されるとともに、実際の業務を担う金型部門の人材育成としても大きな役割を担いつつある。