腹膜透析導入

摘要

腹膜透析(peritoneal dialysis ； PD)ガイドライ ン2019が出版されて3年が経過した.本稿ではPD導入に関する説明?指導,患者適応,導入 時期とその手法について文献幸艮告を交えて述べ る.腎代替療法としてのPDの選択は,患者中心 の高品質な医療の提供を目指す中で，さまざま な情報の共有と準備期間を経てなされるべきであ り，腎代替療法導入の可能性があると判断され た患者が遅滞なく専門医へ紹介，または連携し てPD診療のできる地域医療体制の構築が望まれ る.腎代替療法の選択と説明?指導末期腎不全患者への治療として，腎代替療法 の導入，もしくは保存的腎臓療法(conservative kidney management ； CKM)が検討される.慢 性腎臓病(chronic kidney disease ； CKD)が徐々 に進行し末期腎不全に至ると考えられる場合，腎 代替療法を導入する前に,腎代替療法に関する十分な情報が患者側へ提供されることが望まし い.また,それらの情報が患者や家族にとって正 しく理解された上で最善と思われる治療が選択 されるべきであり,医療者側も情報や医療のみな らず，エビデンスや経験を踏まえて患者側の意思 決定を支援できる機会の提供を惜しんではならない.