ASCO 2022 meeting report 4)リンパ系腫瘍

摘要

ASCO2022では，大規模な第III相試験結果か ら，新規薬剤の有望な第I/II相試験結果など，今 後のリンパ系腫瘍の治療開発に大きく影響する ことが予想される重要演題が複数報告された. 本稿ではリンパ腫における重要演題をpick upし て紹介する.1.未治療移植非適応マントル細胞リンパ腫に対するbendamustine+rituximab(BR)+-ibrutinibのランダム化第III相試験(SHINE) (#LBA7502)：未治療で65歳以上の移植非適応マントル細胞リンパ腫（MCL）に対して，BR療法6コース+ rituximab維持療法（8週ごとに最大12回投与） を標準治療群とし，これにibrutinib 560 mg/day を疾患増悪または毒性中止まで継続する試験 治療群との，progression-free survival(PFS) primary endpointとした二重盲検プラセボ対照ラ ンダム化第III相試験である（図1）.523人(BR 群262人，BR+ibrutinib群261人）が登録され， 年齢中央値は71歳であった.観察期間中央値 84.7か月で，PFS中央値はBR群52.9か月，BR +ibrutinib群80.6か月とハザード比0.75(9596CI 0.59~0.96)と有意にibrutinib併用群が優れた.