Critical Care における Cytokine Storm — Overview

摘要

感染,外傷などの侵襲により外因性のPAMPsや内因性のDAMPSが産生され,それらが免疫担当細胞に発現しているpattern recognition receptor で感知され細胞内シグナル伝達が起こりcytokineが産生される。それらcytokineが血中に流入し高濃度になった状態がhypercytokinemiaであり,その程度が過度の炎症反応,あるいはその結果としての臓器障害を引き起こすような高濃度である場合がcyto-kine stormと称される。しかしながらどの程度以上のcytokine血中濃度があった場合にcytokine stormと診断するかという基準はない。感染の場合もふくめてDAMPsがcytokineのtriggerとして重要であるが，なかでもmitochondrial DNAは重要である。Cytokine storm対策としては血液浄化法による除去が有効である。またCOVID-19はウィルス性敗血症として捉えることができるが細菌感染症を合併していない場合にはcytokine stormは吹き荒れていない。細菌感染を合併したCOVID-19に対してはcytokine storm対策は有効である可能性がある。